能登半島地震の災害ごみ244トン 海上輸送も活用し2年で完了を目指す 防災ニュース

2024年2月26日

<2月26日投稿>能登半島地震からまもなく2カ月。被災地の復旧に向けての活動が続いています。被災家屋からの片付けごみ(災害廃棄物/災害ごみ)が推計で約240万トンにのぼり、海路も活用して県外へ輸送する計画がまとめられています。

今回の地震で発生した災害ごみ約244トンは、石川県内の年間ごみ排出量の約7年分に相当します。最も多い珠洲市では132年分にもなる量で、自治体としては対処しきれないため、広域連携での処理・撤去が行われています。奥能登地域は各地で道路のダメージが大きく陸路では限界があることから、海上輸送も活用し、およそ2年間での処理を目指しています。

被災家屋の解体・撤去は、家屋の現地調査などを行った後、被害状況が明示される罹災証明書の発行後に行われます。これから大量に発生する災害ごみの処理については、仮置場での保全や分別・選別などさまざまな問題が予想されます。

災害が発生すると、直後の命を守る活動やそれに続く命をつなぐ活動、応急復旧が話題になりやすく、ともすれば1~2か月で記憶が薄らいでいきがちです。しかし災害ごみの処分のように年単位で続く活動も多く、全国でさまざまな災害が起きる日本では、ごみの処分の問題も広域で考えておかなければなりません。首都直下地震では約1.1億トン、南海トラフ地震では約3.2億トンと、桁違いの量が予想されています。災害ごみの発生を極力抑えるためにも、耐震を強化するなどの対策が重要です。

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能登半島地震 内閣府被害報告(2月22日時点)
・地震:最大震度7(志賀町) 1/1 16:06以降、震度1以上を観測した地震は1,675回
・人的被害:死者241名、重軽傷者1,297名
・住家被害:全半壊、一部損壊、床上・床下浸水等 76,257棟
・火災:17件(うち石油コンビナート等特別防災区域内1件)
・避難状況:避難所498箇所、避難者12,293名
・ライフライン:断水約2.25万戸、停電約800戸、通信 固定約560回線ほか一部エリアに支障
・通行止:高速道路1路線2区間 南向き、補助国道3路線11区間、県道41区間
・鉄道:JR七尾線 七尾駅~和倉温泉駅間2/15運転再開 のと鉄道 能登中島駅~穴水駅間は復旧中

画像出典:内閣府復旧・復興支援本部第2回会議資料

防災ログ事務局:南部優子


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