ドローンによる医薬品配送ガイドライン改正 災害時の対応が柔軟に 防災ニュース

2024年4月15日

<4月15日投稿>厚生労働省は、2021年に策定した「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」の一部を改正しました。この改正により、緊急時の医薬品の配送がより柔軟に対応できるようになりました。

改正されたのは第1章の趣旨の部分で、「災害時において緊急に医薬品を配送する必要があると認められる場合には、医薬品の品質保持や配送先への確実な授与等がなされることを前提に、本ガイドラインの留意事項も踏まえつつ、状況に応じて柔軟に対応して差し支えない」と、近年のドローン配送の実態を踏まえ、災害時には柔軟な対応が可能であることを明示しています。

ドローン(無人航空機)は飛躍的に性能が向上し、活用が進んでいます。2022年12月から始まった新制度により、機体認証、無人航空機操縦者技術証明、運行ルールが整備され、有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)が可能となり、さらに活用範囲が大きく広がりました。
これまで多くみられた空撮や農業、測量やインフラ点検のほか、物流や警備、医療など分野も拡大しており、市場規模は2016年に154億円だったのが2027年には5,147億円が見込まれるなど、約10年で30倍以上の伸びになっています。

出典:内閣官房小型無人機等対策推進室 レベル4飛行の実現、さらにその先へ 令和4年7月 

災害時にも、人の手が入りづらい箇所への無人飛行は、迅速性や安全性の確保や人員不足の解消などが期待されます。現在、空撮による映像の収集や各種センサーによるセンシングとAI解析を組み合わせた被害状況の把握といった被災現場の状況をいち早く共有するための技術のほか、要救助者の捜索活動や孤立集落への物資・医薬品の輸送、罹災証明書発行に向けた被害把握、災害情報のアナウンスなど、初動から応急対応までさまざまな活用を見込み、実証実験が進んでいます。

今回の厚生労働省による医薬品配送のガイドライン改正は、このような利活用状況を踏まえて行われたものです。ドローン活用については他にも分野ごとのガイドラインや事例などが公表されています。
ドローンに関する国の関連施策や自治体などの主な取り組みは内閣官房の情報共有プラットフォームにまとめられています。平常時からの活用全般についての掲載で、災害に特化したものではありませんが、ドローンのような先端技術は短い期間で大きな進展を遂げるため、折に触れて情報を収集し、災害対応への活用を検討しておきたいところです。

内閣官房 ドローン情報共有プラットフォーム
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/drone_platform/
<掲載内容>
・ワンストップ窓口
・地域ごとの情報
・分野ごとの情報
・主な関係法令
・ガイドライン、手引き
・交付金、補助金、その他支援
・マッチング
・技術開発
・関連会議
・自治体の関連施策
・関連団体
・関連イベント

防災ログ事務局:南部優子


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