豊後水道で震度M6.6の地震_南海トラフ地震臨時情報は出ずとも警戒を 防災ニュース

2024年4月21日

<4月21日投稿>愛媛県沖で4月17日の深夜23時14分、最大震度6弱の地震が発生しました。震源地は豊後水道、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.6、震源の深さは39kmと推定されています。
最大震度は愛媛県愛南町、高知県宿毛市で震度6弱となったほか、中部地方から九州地方にかけて震度5強~1を観測しました。内閣府が19日にまとめた情報によると、この地震による被害は、重軽傷者12名、住家被害9棟が確認されました。ライフラインは水道が最大で35戸断水しましたが、電力・ガス・通信には被害がありませんでした。愛媛県または高知県で震度6弱(旧階級で震度6)以上の揺れを観測したのは1919年の統計開始以来、初めてのことでした。ただ、安芸灘では1905年にM7.2の地震が発生するなど、17世紀以来約400年のあいだにM6.7~7.4程度の地震が、60年ほどの間隔で繰り返し発生しているといわれており、決して珍しいものではありません。今回の地震は、南海トラフ地震の震源域として想定されるエリアで発生したものの、マグニチュードが基準(M6.8)未満であったことから、南海トラフ地震臨時情報は出ませんでした。

<南海トラフ地震臨時情報とは>
南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ震源域で「半割れ」「一部割れ」「ゆっくりすべり」などの異常現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連しそうな場合に発表されます。つまり、南海トラフ地震臨時情報は、エリア内の地震発生など特異事象が起きたとき、その影響で巨大地震の発生が相対的に高まったと備えるためのアラートなのです。臨時情報というと、2004年から2017年まで発表されていた東海地震に関する予知情報のイメージが重なって、「これから必ず南海トラフ地震が来る」との予告に思われがちなのですが、実際は違うことに注意しましょう。

<南海トラフ地震臨時情報の種類>
南海トラフ地震臨時情報は、大きく分けて「南海トラフ地震臨時情報」と「南海トラフ地震関連解説情報」があり、臨時情報には(調査中)(巨大地震警戒)(巨大地震注意)のキーワードをつけて発表されることになっています。

<南海トラフ地震臨時情報の発表の流れ>
南海トラフ地震臨時情報は、およそ次のような流れで、最短で2時間程度の間に発表される段取りとなっています。

<南海トラフ地震臨時情報が発表されたら>
このような情報が発表されたとき、実際にどんな行動をとればよいかについては、「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)」を確認しましょう。基本的な考え方や住民、自治体、企業別の心得などが記載されています。

「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)」
http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/pdf/honbun_guideline2.pdf

画像出典:気象庁地震情報 2024年04月17日23時19分発表 ※本画像の中では地震の深さ50km マグニチュードM6.4となっていますが、後に、深さ39km、M6.6と訂正されています

防災ログ事務局:南部優子


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