初夏の今、気象災害対策を 防災ニュース

2024年5月15日

<5月15日投稿>初夏を迎え、さわやかな季節となりました。しかし防災の観点からは、初夏から秋にかけては前線の活発化や台風などの気象災害が発生しやすくなり、要注意の季節といえます。早めの避難や浸水対策など適切な行動をとるための事前の備えを強化し、気象情報に敏感になっておきましょう。

気象災害は、気象庁により「大雨、強風、雷などの気象現象によって生じる災害」と定義されています。具体的には、風、大雨、大雪、雷、ひょう、長雨、干、なだれ、融雪、着雪、落雪、乾燥、視程不良、冷、凍、霜、塩風、寒、日照不足などがあります。災害発生の可能性が高まる異常気象にも定義があり、気象庁は原則として「ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節等)において30年間に1回以下の出現率で発生する現象」と定めています。

気象の発生そのものはコントロールできません。このため気象庁はさまざまな気象観測を行い、予め手を打てるよう、警戒レベルに応じて「防災気象情報」を発表しています。
・警戒レベル1(白)早期注意情報
・警戒レベル2(黄):注意報、キキクル(土砂災害危険度分布)注意(黄)など
・警戒レベル3(赤):警報(警報に切り替える可能性が高い高潮注意報)、キキクル警戒(赤)など
・警戒レベル4(紫):土砂災害警戒情報、キキクル危険(紫)、氾濫危険情報、高潮警報など
・経過レベル5(黒):大雨特別警報、氾濫発生情報、キキクル災害切迫(黒)

警戒レベルと避難の目安の関係は、次のようになっています。
・警戒レベル2(黄):防災体制確立、避難行動確認
・警戒レベル3(赤):高齢者等避難(避難に時間のかかる人は自主的に避難)
・警戒レベル4(紫):避難指示(全員避難)
・警戒レベル5(黒):緊急安全確保(今いる場所より安全な場所へ直ちに移動し安全確保)

2021年から避難勧告は廃止され、「避難指示(紫)で全員が避難」となっています。防災情報・避難情報に関しては、よりわかりやすく伝わりやすくするため、毎年のように改良が加えられています。常に最新情報へアップデートしておきましょう。

出典:気象庁 防災気象情報と警戒レベルとの対応について

防災気象情報に注意しつつ、市区町村が作成するハザードマップや逃げどきマップなどを活用し、周囲の危険な箇所や避難できる場所、移動ルートなどを確認しておきましょう。ひとつ注意しておきたいのが、「ハザードマップで危険な色がついていないところは安全だ」と解釈しないことです。ハザードマップは、地勢や過去の発生実態を踏まえて作成されており、災害発生の確度が高いところを示しているものの、あくまで想定です。その範囲で必ず被害が発生するわけではありません。実際の気象の情報をハザードマップに重ねつつ、被害発生を想像して行動する必要があります。

適時的確な情報の把握と行動指示の発信には、ICTなどを活用した情報受伝達・解析システムが重要となります。本格的な気象災害シーズンを前にした今のうちに、最新の防災情報に対応しているかを確認し、操作や更新など運営の実行性を向上させる訓練などを行って備えておきましょう。

防災ログ事務局:南部優子


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