台風1号発生 日本の南海上へ向かう可能性 防災ニュース
2024年5月27日
<5月27日投稿>フィリピンで発達していた熱帯低気圧が、5月26日9時、台風となりました。今年に入り初めて、台風第1号(イーウィニャ:台風委員会加盟国ミクロネシア提案の名称で「嵐の神」の意)です。
気象庁によると、26日15時時点で台風1号はフィリピンにあり、中心気圧は1002ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18m毎分、最大瞬間風速は25m毎分の大きさです。今後北北東の方向にゆっくり進み、日本の南海上に達する可能性があります。
まだ発生したばかりで、移動も遅いため、今後の発達や進路の予測がかなり難しい台風です。台風の予報円は今後の進路の可能性を大きさで示しており、円が大きいほど予報の誤差が大きいことが読み取れます。
現在のところ、台風そのものの影響は大東諸島や伊豆諸島といった南海部が考えられていますが、西日本や東に問でも台風接近に伴って前線が刺激され大雨を呼んだり、強風や高波で海上の危険が高まったりする可能性があります。台風・熱帯低気圧の予報は5日先まで発表されます。実況と24時間までの予報は3時間ごと、それ以降の予報は6時間ごとの発表です。台風が日本列島に接近してくると1時間ごとに発表があり、状況がより細かくわかるようになります。
沖縄県が梅雨入りし、いよいよ風水害の季節がやってきます。今のうちに気象庁の提供する情報について、発表のタイミングや発表内容、予報図の見方に慣れておき、大型台風の襲来に備えた情報収集に不備がないかの検証をしておきましょう。
【台風の名称】
台風は、北太平洋の熱帯的気圧を指す、国内向けの名称です。熱帯低気圧は発生した地域や風の強さによって名前が分かれています。
台風のアジア名(今回の台風の「イーウィニャ」)は、台風委員会(北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織。日本を含む14か国が加盟)により、2000年から北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風に共有のアジア名を付けるようになったものです。
共通の名前をつけて利用することにより、アジア各国・地域の文化の尊重と連帯の強化、相互理解の推進を図り、また、アジアの人々になじみのある呼び名をつけることによって人々の防災意識を高めることを目的としています。
現在加盟国から140個の名前がリストアップされており、日本からは星座名に由来する名前が10個提案されています。台風が発生するとリスト順に用いられ、最後までいくと再び1番に戻ります。台風は平均すると年間で25個程度発生するため、おおむね5~6年で一周する計算です。台風のアジア名は、繰り返し用いることになっているものの、大きな災害をもたらした場合などは、以降の台風に使用しないよう変更することもあります。
参考:気象庁 台風の番号とアジア名の付け方
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html
防災ログ事務局:南部優子