林野火災に備えた動き 防災ニュース

<4月28日投稿> 2025年2月26日に発生した大船渡市での大規模林野火災を受けて発足した、消防庁と林野庁による検討会の第2回が4月23日に実施されました。そこでは、火災発生の原因調査の報告や当時の状況の報告がなされました。この検討会での報告では出火原因はまだわかっていないものの、延焼範囲が約3,370haと更新され、またその延焼の原因として、樹冠に着火し発生した火の粉が当時発生していた局所的強風によって離れた場所に飛ばされたことや地表にある枯葉などの林床可燃物が燃える地表火が挙げられました。延焼の終端については、林野地区では航空散水や降水によって焼け止まりが生じた一方で、街区の火災では同時多発的に発生したが、消防活動に加え、広い道路幅員や不燃外壁など複数の要因が絡み合って焼け止まりが生じていたと報告されました。
日本では年平均でおよそ約1,300件ほどの林野火災が発生しており、その焼損面積は700haほどですが、今回ほど大規模ではないにしろその原因の多くは焚火や火入れなど人為的なものです。こういった検討会を通じてより拡充された消防対応が構築されることが望まれるのはもちろんですが、市民側も火災のリスクを正しく認知し、適切な行動をとることも求められます。

大船渡市において地表火による延焼の様子が確認できる林床 出典:令和7年2月26日に発生した 岩手県大船渡市林野火災に係る 消防庁長官の火災原因調査 調査結果(速報)


参考文献

大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会 総務省消防庁
令和7年2月26日に発生した 岩手県大船渡市林野火災に係る 消防庁長官の火災原因調査 調査結果(速報)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-167/02/shiryou1.pdf

山火事予防!! 林野庁
https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/yamakaji/


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