災害対策基本法の改正案、衆議院本会議で可決 防災ニュース

<5月12日投稿>「災害対策基本法等の一部を改正する法律案」が、4月17日、衆議院本会議で可決された。本法案は、2月14日に閣議決定されていた。
 この改正案は、昨年に発生した令和6年能登半島地震の教訓を踏まえて作成されており、国による災害対応力の強化、被災者支援の充実、インフラ復旧・復興の迅速化の3本柱からなる。
 このうち、もっとも特徴的であるのが、被災者支援の充実である。これまでも、災害対策基本法や災害救助法において、被災者支援のための制度が設定されていたが、本改正案では、高齢者等の要配慮者、在宅避難者など多様なニーズに対応するインクルーシブな支援を実現するべく、救助メニューに「福祉サービスの提供」を追加し、福祉関係者との連携を強化する。
 また、炊き出しや被災家屋の片付け、被災者の相談対応といった、避難所運営・被災者支援業務に協力するNPO・ボランティアを、「被災者援護協力団体」としてあらかじめ登録し、被災者情報の提供や費用の負担をすることができるようにする。さらに、このようなボランティア活動への国民の関心と理解を深め、活動への参加を促進するような措置を施すことが国の努力義務として明文化される。
 このほかに、デジタル技術の活用を通した防災DXの推進、地方自治体による物資備蓄状況の公表義務化、広域避難の円滑化、内閣府への「防災監」の設置などが盛り込まれている。
 この先、参議院での審議を経て、夏の出水期前の施行を目指している。

参考文献
「災害対策基本法等の一部を改正する法律案の概要」,内閣府
https://www.bousai.go.jp/taisaku/minaoshi/pdf/kihonhou_06_1.pdf
「閣法 第217回国会 17 災害対策基本法等の一部を改正する法律案 議案審議経過情報」,衆議院
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DDE3B2.htm
「閣法 第217回国会 17 災害対策基本法等の一部を改正する法律案 提出時法律案」,衆議院
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g21709017.htm


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