【水防月間】水災害は流域全体で考えよう 防災ニュース

2024年5月16日

<5月16日投稿>国土交通省では、毎年5月(北海道は6月)を「水防月間」に定め、水防訓練や河川の巡視などの取り組みを集中的に行っています。
<主な取り組み>
●総合水防演習:国、都道府県、水防管理団体(市町村等)が連携して実施する、水防活動の実践訓練・避難訓練・情報伝達訓練等を組み合わせた総合的な演習
●水防訓練:水防管理団体(市町村等)による水防工法の知識の取得と技術の体得のための訓練
●水防技術講習会:国、都道府県、水防管理団体が連携して実施する、河川管理施設(樋門等)や災害対策車両(排水ポンプ車等)の操作訓練、水防技術を伝承する人材を育てるための講習会など
●洪水予報連絡会等の開催:国、都道府県、水防管理団体等が連携して確認する、洪水予報や水防警報など水防活動に必要な情報の伝達体制
●重要水防箇所の共同巡視:水防団等と河川管理者が共同で行う、巡視、重要水防箇所や水防倉庫、水位観測所の確認など
●河川管理施設の点検等:河川管理施設の点検、補修、許可工作物の指導監督等
●普及啓発等:ポスターやリーフレットの配布等を通じたPR活動、水防団員の募集、企業等に水防協力団体への参画を働きかけなど

近年の水防の取り組みは、気候変動の影響により激甚化・頻発化する自然災害に対し、流域全体を俯瞰的にとらえ、あらゆる関係者が協働して治水対策に取り組む「流域治水」の考え方が主流になっています。水防月間の取り組みも、地域の各機関が連携し流域単位で行うことにより、河川区域全体で水災害への対応力をより実践的なものにしていくことができます。

流域治水は、堤防の整備、ダムの建設・再生などのハード対策とともに、集水域(雨水が河川に流入する地域)から氾濫域(河川等の氾濫により浸水が想定される地域)にわたる流域に関わるあらゆる関係者が協働して水災害対策を行う考え方です。
治水計画を、気候変動による降雨量の増加などを考慮したものに見直したうえで、集水域、河川区域、氾濫域を含めた全体を一つの流域として捉え、地域の特性を踏まえて対策を打ちます。対策は、①氾濫防止・減少、②被害対象の減少、③被災想定地域の被害軽減・早期復旧・復興の3つの方向から考え、ハード・ソフト一体で多層的に進めます。

参考情報:
国土交通省 「流域治水」の推進
https://www.mlit.go.jp/river/kasen/suisin/index.html

流域治水プロジェクト
https://www.mlit.go.jp/river/kasen/ryuiki_pro/index.html

画像出典:国土交通省 「流域治水」の基本的な考え方より「流域治水」の施策について

防災ログ事務局:南部優子


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