2025年も開催される「水害サミット」 初参加自治体には輪島市、珠洲市も 防災ニュース
<6月1日>全国の水害被災自治体首長と国土交通省が一堂に会し、その経験や教訓等を共有、全国に発信することで防災、減災に役立てることを目的とした「水害サミット」が2025年も6月3日に開催される予定となっています。
2005年から始まり第20回を迎える「水害サミット」ですが、 今回は「持続可能な地域社会の実現と流域治水の推進」および「命を守る避難情報の発信と防災DXによる効率的な災害対応の実現」が主要テーマとして掲げられています。
「流域治水」とは気候変動に伴う水害の頻発化・激甚化に対して、従来の河川整備に加え地域の既存設備等を利用した氾濫の防止、土地利用の誘導等による被害の減少、そして流域の住民一人ひとりのリスク理解と事前の備えを促すなど、流域全体で総合的に取り組む治水で、近年国も推進しています。また、「防災DX」とはデジタル技術を活用することで、限られたリソースの中で災害対応の効率化を図り、被災者支援の拡充も目指していくもので、これも現在積極的に取り組まれているものです。
今回の水害サミットには初参加の10市町を含む計30の市町村が参加します。初参加自治体の中には、2024年1月の能登半島地震で大きな被害を受け、さらに同年9月に追い打ちをかけるような豪雨によっても深刻な被害を受けた石川県の輪島市、珠洲市も含まれています。
過去のサミットでは、被災経験の共有に留まらず、国に対する政策提言や、実践的なノウハウ集の発行など、具体的な行動も行われました。全国の被災地の経験が防災へと活かされ、次なる被害の減少に貢献することが期待されます。
参考文献
第20回水害サミットを開催 ~水害を経験した市町村長が防災・減災のあり方を全国に発信します~. 国土交通省. 2025/5/30. https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000249.html
水害サミットからの発信. 水害サミット. https://www.mlit.go.jp/river/suigai/
国土交通省 水管理・国土保全局. 「流域治水」の基本的な考え方 ~気候変動を踏まえ、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う総合的かつ多層的な水災害対策~
https://www.mlit.go.jp/river/kasen/suisin/pdf/01_kangaekata.pdf
サムネイル出展: “第19回水害サミット(R6.6.11)”. 第20回水害サミットを開催 ~水害を経験した市町村長が防災・減災のあり方を全国に発信します~. 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000249.html