キッチンカーなどの災害対応車両の登録制度が運用開始 防災ニュース
<7月9日>内閣府は、6月1日から災害対応車両登録制度を運用開始しました。この制度により、キッチンカーやトイレカーといった災害対応車両が平時からデータベース上に登録され、発災時に車両を必要とする被災自治体へ迅速に提供することが可能となります。
この制度の創設の背景には、令和6年能登半島地震での災害対応車両の活躍がありました。中央防災会議に設置された災害対応検討ワーキンググループの報告書にも、「防災道の駅」にキャンピングカーやトレーラーハウス等が設置され、災害対応従事者の宿泊場所として有用であったことが記載されており、平時からの登録制度の必要性が指摘されていました。
本登録制度における「災害対応車両」とは、発災時に避難所や仮設住宅もしくはトイレとして用いられるか、あるいは食事・洗濯もしくは入浴サービスを提供するものとして用いられる、自走型もしくは牽引型・運搬型のいずれかの車両として定義されています。車両の所有者か配車調整を行う法人(調査法人)が内閣府に申請すると、データベース上に登録され、災害対応車両検索システム(D-TRACE)を通じて自治体に共有されます。発災時には、被災自治体がシステムを通じて所有者または調整法人と個別に連絡し、車両の提供へと進みます。国は、このプロセスを支援し、必要に応じて調整するほか、災害救助法に基づいて車両の提供に関する費用を負担します。D-TRACEは広く一般に公開することはせず、国・地方自治体および登録者のみが閲覧することができます。
6月30日時点では、D-TRACEに11法人、50車両が登録されており、継続して登録申請の受付を行っています。

画像出典 内閣府 災害対応車両登録制度ホームページ,災害対応車両登録制度の概要・各種様式 https://pr.d-trace.go.jp/#schedule
参考文献
内閣府, 発災時にキッチンカー、トレーラーハウス等の災害対応車両を被災自治体に迅速に提供できるようにします ~災害対応車両登録制度の運用開始について~
https://www.bousai.go.jp/pdf/250530_unyou_kaishi.pdf
中央防災会議, 令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応の在り方について (報告書)
https://www.bousai.go.jp/jishin/noto/taisaku_wg_02/pdf/hokoku.pdf
内閣府 災害対応車両登録制度ホームページ, 災害対応車両及び災害対応車両調整法人の登録を行いました
https://pr.d-trace.go.jp/news/siizcm2hqna8