「福井地震」震度7と建築基準法(防災専門図書館 企画展開催中) お知らせ

2018年8月27日

8月27日 防災専門図書館で開催中の企画展「震度7の連鎖:首都直下地震を考える ~福井地震から70年~」では、多くのコーナーを設けて、地震関連情報を展示しています。
そのなかで、前回の「震度5以上は何回?」コーナーに続き、今回はメインテーマの一つ「福井地震」をご紹介します。

70年前の1948年6月28日17:13(夏時間。標準時では16:13)、福井平野でM7.1の大地震が発生しました。
福井空襲(1945年)で焼け野原になってから3年。戦後の復興を成し遂げつつあった福井を襲った直下型地震は、震度6を記録し、死者3,769人、家屋の全壊約34,258棟という甚大な被害をもたらしました。
丸岡町など震源付近では全壊率100%、福井市内でも89%。地割れも多数発生し、九頭竜川にかかる橋梁は崩れ、救援・救助活動に大いに支障を来す有り様でした。

展示コーナーでは、GHQが撮影した被災写真を展示しています。焼け野原の福井市内に建つ崩れかけた大和百貨店が写った空撮写真には、GHQが「まるでヒロシマのようだ」とコメントしています。焼け野原に建つ原爆ドームと重なったのでしょう。
その一方で、地震に耐えた建物についても展示しています。現在の三井信託銀行福井支店は、崩れた大和百貨店のすぐ隣にありましたが、堅牢な建物は崩れることなく、現在でも使用されています。

このように激甚な被害を受けて、昭和24年に震度Ⅶ 激震(家屋の倒壊が30 %以上に及び、山崩れ、地割れ、断層などを生じる)が設定されました。そして、その震度7が初めて適用されたのは、福井地震から47年後の阪神・淡路大震災。つまり、この間に福井地震を超える地震被害がなかったことになります。
また、昭和25年には建築基準法が制定され、「第1条 建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図」られることになりました。
福井地震は、「70年前の地震だった」という過去の災害だけにとどまらない、インパクトのある地震であったと言えるでしょう。ぜひ企画展で当時の様子を御覧ください。

*記事内の数値は中央防災会議『1948福井地震報告書』(2011年3月)に依る(死者数は諸説あり)。
*震度7が追加された経緯は日本地震学会広報誌『なゐふる』No.89(2012.4)も参照ください。

 

企画展「震度7の連鎖:首都直下地震を考える ~福井地震から70年~」(会期:12月28日まで)

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<防災専門図書館> https://www.city-net.or.jp/library/
住所:東京都千代田区平河町2-4-1 日本都市センター会館8階
電話:03-5216-8716
開館時間:平日9時~17時
入館料:無料
最寄駅:地下鉄永田町駅・麹町駅(Google mapでも検索できます)


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