体感震度と計測震度(防災専門図書館 企画展開催中) お知らせ

2018年7月26日

7月26日 防災専門図書館で開催中の企画展「震度7の連鎖:首都直下地震を考える ~福井地震から70年~」では、多くのコーナーを設けて、地震関連情報を展示しています。そのなかで今回は「震度5以上は何回?都道府県別地震頻度」コーナーをご紹介します。

このコーナーでは、気象庁「震度データベース」を利用して、関東大震災(1923年)から2017年までの95年間に、震度5以上の揺れを記録した地震について、都道府県別に発災日時・震度の一覧と震央の地図とを展示しています。その展示から、日本全体の傾向として、地震の頻度は、西日本より東日本の方が高いようにみられます。しかし、ここ数年、被害があった地震は西日本で発生しており、頻度が少ないからと言って、地震が起こらないという意味ではありません。

また、阪神・淡路大震災以後の方が、地震頻度が高いように見られます。しかし、これにはカラクリがあります。それが「体感震度」と「計測震度」。

気象庁では、阪神・淡路大震災以前は「体感震度」つまり人が計測していました。そのうえ観測地点も1988年ではわずか158か所でした。しかし、阪神・淡路大震災の翌年、1996年に「計測震度」へ切り替わりました。計器による自動観測・データ送信により、飛躍的に観測時間が短縮し、観測地点は4372か所(2018年7月現在)と劇的に増えたので、震度の報告も増大したのです。

6月18日大阪府北部で震度6弱の地震が起きました。報道では、阪神・淡路大震災の時でも大阪は震度4だったことが強調されていましたが、実は、これも観測方法が現在と異なっていたことに関係があります。

1995年当時、大阪の観測地点は大阪市中央区大手前の1カ所だけでした。そこで観測されたのが震度4(当時の気象庁震度階級関連解説表では「家屋の動揺が激しく、座りの悪い花瓶などは倒れ、…多くの人々は戸外に飛び出す程度の地震」)。大阪府では死者31名、住家の全壊895棟と大きな被害が起きていたにも関わらず、1カ所の観測点の震度が大阪府全体の震度、と一般に受け止められたのです。

そんなエピソードも含めた「震度5以上は何回?都道府県別地震頻度」コーナー。ぜひ来館して、じっくり御覧ください。

防災ログ_第2回_添付1_「震度5以上は何回」コーナー 防災ログ_第2回_添付2_全国の震度5以上グラフ 防災ログ_第2回_添付3_「震度5以上は何回」_大阪 防災ログ_第2回_添付4_体感震度と計測震度

企画展「震度7の連鎖:首都直下地震を考える ~福井地震から70年~」(会期:12月28日まで)
https://www.city-net.or.jp/library/archives/3265

 

<防災専門図書館> https://www.city-net.or.jp/library/
住  所:東京都千代田区平河町2-4-1 日本都市センター会館8階
電  話:03-5216-8716
開館時間:平日9時~17時
入 館 料:無料
最 寄 駅:地下鉄永田町駅・麹町駅(Google mapでも検索できます)


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