トレーラーハウスの被災地活用、熊本の次は? コラム

2016年10月1日

熊本地震から6カ月余りが経過したが、いまだ震災被災地では傷跡が癒えない。その被災地には、地震直後からトレーラーハウスが届けられ、30台あまりが被災者が休息を取るのに活用された。特に熊本県益城町では、国の支援対象になる福祉避難所としてトレーラーハウスの活用を日本で初めて公が認め、画期的な“被災地支援策”が実施された。8月一杯で一応の役目を終えたトレーラーハウスたちは、益城町からそれぞれの故郷に里帰りしている。仕掛け人のひとりである、清水国明氏に話を聞いた。


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9月某日。我々“チームぶら防”は、熊本から帰還したトレーラーハウスの取材を目的に、山梨県富士河口湖町にある「災害出動型レスキューRV(レクリエーショナル・ビークル)パーク」に再度お邪魔した(これまでの取材の様子は「緊急支援にトレーラーハウスが被災地熊本へ!」、「トレーラーハウスの活用で避難生活は激変する!」、「日本初、熊本の避難所がトレーラーハウスを導入」の各記事参照)

2015年11月にオープンした同施設は、有事の際に活用することを前提にトレーラーハウスを集めた施設だ。平時には一般の宿泊施設として運用し、日々のメンテナンスも欠かさない。常時11台のトレーラーハウスが設置され、スポーツ合宿などに活用されている。仕掛け人はタレントの清水国明氏。清水氏は、2003年から同地でキャンプやレクリエーション施設が融合した「清水国明の森と湖の楽園」を運営しており、その敷地の一部にレスキューRVパークは置かれている。

清水氏は1995年の阪神淡路大震災のときも、現地で復興支援に汗をかいた。その後、東日本大震災はもちろん、大きな災害があるたびに様々な援助を行ってきた清水氏は、被災現場で見る被災者の方々の劣悪な生活環境にいつも心を痛めていたという。アウトドアの達人である清水氏は、トレーラーハウスの被災地活用に早くから着目し、実現のために尽力してきた。レスキューRVパークは1つの到達点だった。清水氏が当時を振り返る。

「私の場合、なんでもそうなんですけど、物事を見切り発車的に始めてしまうんです。やっているうちにノウハウも蓄積するだろうし、金銭的な収支も合ってくるだろうと(笑)。ただ、今回ばっかりは、いろいろな意味での体力がつく前に熊本地震が発生しました。レスキューRVパークがオープンしてから半年後のことでした。しかし迷っている暇はない。看板を掲げている以上、あの大災害を無視するわけにはいきません。全国の仲間たちと連携を取りながら、4月23日にまず1台、河口湖を出発させ、翌24日に熊本現地に投入しました。その後は5月16日以降、随時被災地へ向けてトレーラーハウスを出発させました」

「収支は真っ赤っか」と笑う清水氏だが、被災者の方々の笑顔がすべてを忘れさせたという。

 

※ 続きはこちらから

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/236296/092000029/


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