台風19号 13都県に大雨特別警報 西日本豪雨を上回り過去最多 防災ニュース

2019年10月15日

10月15日 

台風第19号の気象概要
台風第19号は、大型で強い勢力を保ったまま10月12日夜から13日未明にかけて関東地方から東北地方を縦断しました。この影響により、台風本体の発達した雨雲や台風周辺の湿った空気が巻き込まれ、神奈川県箱根で10日からの総雨量が1000mmに達し、関東甲信地方と静岡県の17時時点で500mmを超えるなど、広範囲に記録的な大雨をもたらしました。
大雨の影響で、13都県に大雨特別警報が発表され、2018年7月の西日本豪雨を上回り過去最多となりました。

台風第19号による被害の概要(10月15日現在の速報値)
台風の影響による豪雨で広範囲に甚大な被害が生じており、被害の全容がまだ把握できる状況にない中、現在判明している被害は以下のようになっています。
【人的被害】死者 11県66人、行方不明者 6県15人、重軽傷者 32都府県212人
【河川被害】堤防決壊 7県47河川66ヵ所、越水などによる氾濫 16都県203河川
【土砂災害】土石流やがけ崩れなど 19都県140件
【建物被害】全半壊・一部損壊約900棟、床上・床下浸水約1万2000棟以上
【避難情報】避難指示(緊急)34市町村約32万世帯約76万人、避難勧告31市町村約25万世帯約63万人
【住民の避難】10月14日現在 約2000箇所約3万8000人が避難中
【停電】15日11:00現在 7都県約2万1900戸
【断水】15日04:00現在 17都県約14万6200戸以上
【通信】伝送路断絶や停電により、直後より停波が拡大。14日15:30現在、光回線など5都県で約8500回線に支障。その他携帯電話では90を超えるエリアで支障。放送局の停波も多数。
【道路被災】高速道路7路線8区間、国道44路線76区間、都道府県・政令市道412区間が被災。
【交通機関の運休など】14日現在、鉄道14事業者42で運休、航空欠便10便、高速バス延29事業者60路線で運休または一部運休、路線バス延53事業者211路線で運休または一部運休、海事関係7事業者7航路で運休及び一部運休
【政府の対応など】13日09:30非常災害対策本部設置。12都県308区市町村に災害救助法適用。12日20:30から13日17:33にかけて13都県知事より災害派遣要請(人命救助、行方不明者創作、孤立舎救助、水防活動、避難誘導、資材輸送、給水支援等)

台風の特徴と社会的な影響
台風第19号は、気圧が低いまま日本列島に近づき、暴風域が非常に大きい状態で都市部を襲いました。先日千葉県を中心に被害をもたらした台風15号と比べると3倍近くあり、日本列島がすっぽりと覆われるほどの大きさがありました。
また移動速度も時速20kmと比較的ゆっくりだったため、台風本体の発達した雨雲だけでなく周辺の湿った空気も巻き込みながら大量の雨を各地で降らせ、大小様々な河川が増水し、大潮のタイミングとも重なって、同時多発的に堤防の決壊や越水による被害が発生しました。
過去最大の特別警報や事前の呼びかけ、計画運休、治水施設の放水コントロールで対応しましたが、関東甲信越・東北地方を中心に、現在もまだ全容がつかめないほどの甚大な被害となっています。

台風19号の被害は、新幹線の車両庫が浸水したり、りんご農場やカキ養殖場に大きな被害をもたらしたり、工場の浸水により営業停止が拡大したりなど、住民への直接被害だけでなく、経済面でも長期にわたって大きな影響を与えています。

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース