死者の半数は「車中死」台風21号と低気圧の影響による記録的な大雨による被害 防災ニュース

2019年10月30日

10月30日 台風15号、19号とたてつづけに被害を受けた日本列島を、またも大雨が襲いました。10月25日に本州の南岸沿いを進んだ低気圧と東側を北上した台風21号により、四国から東北太平洋側の広い範囲で記録的な大雨となりました。

千葉県や福島県では、25日の半日で10月ひと月分以上の降雨量になったところもあり、5県34河川で浸水被害が発生。29日現在、死者10名、行方不明者3名、1500棟以上の床上・床下浸水や8件の土砂崩れなどもあり、今後被害はさらに増える可能性もあります。

今回の豪雨被害で特徴的だったのが、死者の半数が車で移動中に水没したり流されたりして被害に遭っていたことです。前回の台風19号でも死者の3割が車の移動による「車中死」でした。車による移動は雨を避けつつ移動できるため安全なように思うかもしれませんが、豪雨時には道路の様子は分かりづらく、急に水位が上昇したり、深いところにはまり込んで動けなくなったりします。日本自動車連盟(JAF)によると、一般的な乗用車は水深30cm程度でも巻き上げる水がエンジンルームに入って停止する可能性があるそうです。また、水深50cmを超えるとドアがあかなくなり、車が浮いて流される危険が大きくなります。

内閣府は災害時の避難は原則徒歩を推奨しています。気象庁も1時間に50mmを超える雨のときは車に乗らないよう呼びかけています。大雨からの避難は、ハザードマップでアンダーパスや浸水想定エリアを把握した上で大雨になる前に避難や移動を行い、遅れてしまったら外に出ないようにすることが肝心です。

図出典:TENKI.jp 低気圧と台風21号 記録的な大雨のまとめより

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース