大規模停電、同時多発の河川決壊、想定外エリアでの車中死・・・関東・東北を襲った台風15・19・21号に伴う低気圧による被害の特徴 防災ニュース

2019年11月5日

11月5日 9月・10月は、関東甲信から東北にかけて、台風や低気圧が相次ぎました。9月は観測史上最大の記録的な暴風、10月は平年の3倍前後となる記録的な大雨に見舞われ、今もなお各地で対応に追われています。9月の台風15号、10月の台風19号、台風21号の接近に伴う低気圧について、それぞれの被害の特徴をまとめました。

 

■台風15号(2019年9月7日~9日)
コンパクトながら観測史上最大の暴風を記録するほどの強い勢力をもっていたため、暴風による倒木が相次ぎ、大規模な停電が長期に及び、折からの残暑と重なって熱中症の被害が拡大するなど、深刻な問題が生じました。また、台風の通過が週末に重なったことから状況判断が遅れ、交通運休に伴う通勤の混乱が大きくなりました。

 

■台風19号(2019年10月10日~13日)
大型で強い勢力を保ったまま上陸したため、広範囲で大雨、暴風、高波、高潮による被害が生じました。特に多くの箇所で当時の観測史上1位を記録する大雨となり、河川の決壊や越水などの氾濫が多数発生しました。
河川の氾濫に関する情報の伝達がうまくいかずに浸水して取り残され、救助要請が相次いだり、大規模な床上浸水が発生して多くの方が亡くなったりしました。また、人口が集中する東京都で避難所が満員となり、住民が入りきらずに混乱するなど、避難所不足の問題も発生しました。

 

■台風21号の接近に伴う低気圧(2019年10月24日~26日)
台風19号の通過後2週間もしないうちに接近した台風21号と、本州の南岸沿いを進んだ低気圧との影響により、3時間・6時間雨量は観測史上1位を早くも更新するほどの広範囲で記録的な大雨となりました。
再び浸水被害に見舞われた箇所も多くありましたが、それだけでなく、浸水想定外の地域でも内水氾濫が発生し、車での移動中に水没したり流されたりして亡くなる車中死の被害が相次ぎました。

 

<被害比較表>


台風15号:被害は10/10 7:00現在、避難情報は9/9 13:50現在の値。
台風19号:被害は11/1 7:00現在、避難情報は10/12 17:00現在の値。
台風21号と低気圧:被害は11/1 7:00現在、避難情報は10/26 5:30現在の値。

防災ログ事務局:南部優子


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