令和の時代が本格的に始動。ほんとうに災害は増えていくの?周年を迎える災害から心を新たに コラム
2020年1月7日
1月7日 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。いよいよ令和として年が明けました。雪による混乱もなく、比較的おだやかな年越しだったのではないかと思います。
昨年は、地震被害より風水害が目立ちました。気候変動により、気象災害の規模が年々大きくなったり、思わぬところに被害が発生したりと、対策に追われている方も多いのではないかと思います。
一方で、首都直下地震や南海トラフ地震など、プレート移動によるエネルギーがじりじりと溜まる現象も止まることはありません。昨年、気象庁から「南海トラフ地震情報」が発表されることが決まり、内閣府から避難に関するガイドラインが公表されたのも、いつ起きるかわからない巨大地震に備えておく必要が高まっている証左といえるでしょう。
このようにお伝えすると、年々災害がひどく頻繁になってきているような印象を受けられるかもしれませんが、日本列島はもともと自然災害が避けて通れない地理的問題を抱えています。昔から自然災害は姿かたちを変えながら社会に影響を与えてきています。
今年に区切りの年を迎える主な災害を、5年単位でみてみましょう。
05年 平成27年9月関東・東北豪雨(2015年9月9日~11日) 死者8人
10年 北日本から西日本にかけての雪害(2010年12月~) 死者131人
15年 台風第14号、前線による九州・中国などの被害(2005年9月3日~8日) 死者28人
15年 梅雨前線による全国の大雨被害(2005年6月28日~7月10日) 死者11人
20年 東海豪雨(2000年9月11日) 死者10人
20年 台風第3号による東日本の被害(200年7月3日~9日) 死者10人
20年 有珠山噴火(2000年3月31日~)
25年 阪神・淡路大震災(1995年1月17日) 死者6,437人
30年 雲仙岳噴火(1990年11月17日~) 死者42人
30年 前線、台風第19号による和歌山などの被害(1990年9月11日~20日) 死者45人
30年 梅雨前線による九州地方の被害(1990年6月2日~7月22日) 死者32人
35年 長野県地すべり被害(1985年7月26日) 死者26人
40年 東北・北陸の雪害(1980年12月~) 死者152人
50年 土佐湾台風(1970年8月21日) 死者13人
55年 奥越豪雨(1965年9月10日~18日) 死者181人
60年 チリ地震津波(1960年5月23日) 死者142人
70年 ジェーン台風(1950年9月2日~4日) 死者539人
75年 三河地震(1945年1月13日) 死者2,306人
この80年ほどで5年おきにざっと挙げただけでも、様々な災害が全国あちこちを襲っているということは、ここ数年ことさらに災害が多く発生するようになったわけではなく、いつの時代も、日本では何かしらの災害が起きていて、影響を受けるたびに人々がいろいろな対策をたててきたということがみてとれます。
大規模な災害では、阪神・淡路大震災(死者6,437人)が25年、三河地震(2,306人)が75年を迎えます。いずれも1月に発生した地震でした。経済情勢も目まぐるしく揺れ動き、先の読めない昨今ですが、この機会にこれまでの災害をふりかえり、年頭の計画に防災も加えて、賢く備えていきましょう。
防災ログ事務局:南部優子