阪神・淡路大震災から四半世紀。あらためて防災のあり方を見つめ直そう コラム

2020年1月17日

1月17日 いまから25年前の1995(平成7)年1月17日午前5時46分。成人式の連休あけの月曜日、まだ暗い明け方に突然襲った地震は、神戸と淡路島を中心にマグニチュード7.3を観測し、神戸市で震度7になるなど、巨大な災害になりました。

この地震による被害は、死者6,434名、行方不明者3名、負傷者43,792名。住家全壊約10万5,000棟、半壊約14万4,000棟に上りました。また、ライフラインや交通機関も停止して甚大な被害が発生しました。

阪神・淡路大震災をきっかけにして、それまで台風による災害対策を中心としていた災害対策を大きく見直す転換点となりました。例えば、次のようなものがこの地震後に始められています。

・地震の長期評価、地震動予測地図の発表
・自動的に震度を推定する計測震度の導入、全国の自治体への計測震度計の整備
・建築物の耐震性能強化に関する法律の整備、建築基準法の耐震基準の改訂
・被災建築物の応急危険度判定、罹災証明のための住家の被害認定調査の体制整備
・ボランティア活動促進のため、特定非営利活動団体の法人化(NPO法人の制定)

また、国や自治体も地震対策の制度や体制を見直しました。地域防災計画に地震編をつくり、対応を強化したのもこの地震がきっかけでした。さらに、地元の消防など行政だけでは到底対応しきれない現実をふまえ、地域コミュニティや企業などの支え合いの重要性も大きく見直されるようになりました。

この地震は全国各地からのべ130万人もの人たちが被災地にかけつけ、ボランティア活動を行ったことでも知られています。後に「ボランティア元年」とも言われるようになりました。この後各地で発生した地震での教訓を踏まえながら、活動が徐々に整備されています。

さまざまな震災対応の契機となった阪神・淡路大震災も、今年で四半世紀になろうとしています。

阪神・淡路大震災は、発生当時からの記録と対応の検証がさまざまな機関で行われており、これからの人たちのために公開されているものもたくさんあります。代表的なアーカイブのサイトを挙げておきます。

 

日本は必ずどこかで次の巨大地震が襲ってきます。各種の対策が未整備だったころの混乱を一つの教訓とし、いまいちど周囲の対策を棚卸ししてみてはいかがでしょうか。

写真出典:神戸市 阪神・淡路大震災「1.17の記録」 http://kobe117shinsai.jp/

防災ログ事務局:南部優子


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