新型ウイルスがやってくる ~正しく恐れて、慌てず対処を~ コラム
2020年1月20日
1月20日 厚生労働省が1月16日に国内ではじめて新型コロナウイルスの感染者を確認したと発表しました。(厚生労働省の発表)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08906.html
新型のコロナウイルスは、中国では死者も発表されていますし、発表時に「濃厚接触の可能性」という表現があったので不安を煽られている人も多いかもしれませんね。
コロナウイルスは、人や動物の間で広く感染症を引き起こすもので、これまで6種類みつかっており、重症化するのはサーズ(SARS)、マーズ(MERS)と呼ばれる2種です。
今回みつかったウイルスはもちろん新種なので予防ワクチンも治療薬もありませんし、風邪薬も抗菌薬も効きません。ただ、この新種は、現時点では死亡率は低いとのリスク評価で、人間がもつ通常の免疫機能で対応できる範囲であり、季節型のインフルエンザなどと同様の感染症対策が有効と考えられます。
ウイルスの感染には3つの経路があります。
・飛沫感染:くしゃみや咳などがかかって感染
・空気感染:空気に漂っているウイルスに感染
・接触感染:ものについているウイルスを触って感染
感染症でいう「濃厚接触」は、3つの経路で感染する可能性が高くなる状態にいることを指し、職場や通勤電車、家庭の中など、限られた空間で一定以上の時間近くにいる状況があてはまります。
このため、ウイルスの感染症対策にいちばん有効なのは、自分や周囲に心当たりのある人がいる場合、それ以上広めないよう、濃厚接触となるような場所を避けること(無理に移動したり出勤したりしない)、一緒にいる必要があるときはマスクをしたり手洗いを徹底したりして3つの経路からの侵入を防ぐことがポイントです。
感染症は、ニュースで繰り返し取り上げられると極端な行動をとりがちですが、ウイルスの特性とリスク評価、感染経路などを正しく理解し、冷静に、でもすばやく対処できるよう、しっかりと情報を捉えておきましょう。
参考:厚生労働省 咳エチケットパンフレット
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000189346.pdf
防災ログ事務局:南部優子