今からでも遅くない 感染症BCP策定のススメ コラム

2020年3月23日

3月23日 新型コロナウイルスの感染が世界的規模となる一方で、いまだ全容が明らかにならないウイルス対策に五里霧中の状態が続くなか、アスクルは物流センターの事業継続計画(BCP)を策定しています。

物流センターでは新型コロナウイルスの感染対策として、マスクの着用、マスク未着用時の会話の禁止、手洗いやアルコール手指の消毒を徹底。食堂はビュッフェ形式を中止して消毒を強化したほか、従業員の出社前検温を徹底させ、37.5℃以上の発熱で入館禁止しています。さらに、感染者が発生した場合を想定した事業継続計画(BCP)を策定しました。

参考までにオフィスでの対応を挙げると、37.5℃以上の発熱で濃厚接触者を含めた出社停止、テレワーク回数上限撤廃、コアタイム廃止、自社勤務強化、外部訪問の原則禁止、会食・セミナーへの参加禁止、国内外出張の禁止、来客の原則禁止(やむを得ない場合は受付で検温)、10名以上の会議禁止、自社主催イベント中止の対応をとっています。

事業継続計画(BCP)は、簡単にいうと、経営資源(ヒト・モノ・カネ・スペース・情報など)が機能不全となることにより業務に支障がでたとき、事業が行き詰まって倒産などの致命的な状況にならないよう対策を講じるもので、組織全体の生き残りを図るための全体最適を目指すため、経営方針を確定し、リスクとなる課題を抽出して事前対策を講じた後、最悪の事態が発生したときの対応を整備していく計画です。このため、新型コロナウイルスのように刻々と状況が変わっていく危機に対しては、「様子がおさまってから考えよう」としがちですが、様子見しているあいだに経営が危機的状況に陥ってしまうこともありえます。

今回のアスクルの対応のように、現状で判断できる最大限の対策を講じ、BCP策定を発表することは、事業継続に対する自社の姿勢を内外に明示し、信頼を獲得するうえでとても重要なポイントとなります。

完璧な安全はありません。でも、周囲に安心を与え、信頼の関係をつくることはできます。今からでもとれる対策、やるべきことはあるはずです。感染症対策の事業継続について考えてみることを強く勧めます。

防災ログ事務局:南部優子


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