富士山は噴火する 降灰の影響は首都圏を直撃する可能性 防災ニュース

2020年4月14日

4月14日 日本列島にはたくさんの活火山があります。富士山もそのひとつで、大規模な噴火が起きた場合、山麓だけでなく、首都圏まで広範囲に大きな影響が及びます。富士山の大規模噴火に伴う火山灰の影響を検討していた中央防災会議が4月7日、報告書を公表しました。

検討ワーキングでは、富士山の噴火により影響を受けるケースを、宝永噴火のときに近い西風卓越ケース、影響を受ける人口や資産がもっとも大きくなる西南西風卓越ケース、もっとも影響範囲が広く風向の変化が大きいケースと、風向きの違いによる3ケースを想定し、降灰の分布範囲と、降灰による被害想定をシミュレーションしました。

人口や資産の被害が最大となるケースでは、噴火直後から視程低下による道路の通行支障、鉄道の運行停止、碍子の絶縁低下による停電、通信障害、水質悪化、下水管路閉塞などの影響が東京などで発生しはじめ、15日目には7都県の広範囲にわたり影響が広がります。特に雨天となった場合は、わずかな灰でも影響が大きくなって、水を含んだ灰の重みによる家屋倒壊なども発生し、死者が出る確率は少ないものの、大きな社会混乱が生じると予測しています。

中央防災会議では、今後はこの報告を踏まえ、関係する省庁や指定公共機関、インフラ事業者などが連携し、被害軽減や社会混乱を抑制するための具体的な検討を行なう体制を整える必要があるとし、最終的には、関係する自治体の地域防災計画への反映を目指すとしています。

中央防災会議 富士山が噴火した場合の影響範囲

(画像出典:中央防災会議大規模噴火時の広域降灰対策検討WG「大規模噴火時の広域降灰対策について-首都圏における降灰の影響と対策-報告概要版」より、西南西風卓越ケースの場合、降雨時の影響範囲http://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/pdf/kouhaigaiyou.pdf

防災ログ事務局:南部優子


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