まもなく出水期、感染症との複合災害に備えを【防災学術連携体】 コラム

2020年5月13日

5月13日 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、緊急事態宣言がいまだ解除されないなか、防災に関連する58の学会で構成される「防災学術連携体」が、地震や火山噴火、気象災害などの同時発生による「複合災害」への警戒を呼びかける緊急メッセージを発表しました。

防災学術連携体は、日本や世界の防災減災・復旧に関する課題解決に向けて政府・自治体・関係機関と学術連携を図るために2016年に創設された団体で、自然科学から工学、社会教育など58の分野で防災に関連する学会で構成されています。

防災学術連携体による緊急メッセージでは、例年のような自然災害が発生し、感染症との複合災害になると、感染者の爆発的に増加するなど深刻な状況が生じるため、次のような備えや心構えが必要だと呼びかけています。
・ハザードマップで河川氾濫や土砂災害など、住んでいる場所の危険性を確認する
・災害ごとに移動して避難する必要があるか、在宅避難が可能かを検討する
・公的な建物だけでなく、安全な近くの場所(親戚や友人宅も含め)などの自主避難先を検討する
・自治会、町内会で相談し、感染拡大を少しでも軽減できる「三密」対策、消毒対策などを検討する
・高齢者や体の不自由な人などの被災者への配慮のほか、自治体職員、医療・福祉関係者、自主防災組織、ボランティアなど災害対応にあたる人への配慮を検討しておく

特にウイルス感染のリスクを考慮した避難対策として、自治体に対し、
・避難所の増設
・通常では解放しない教室なども開放して避難者どうしのスペースをあける工夫
・ついたての設置
・消毒液などの備品整備
・感染者や感染の疑いのある人の建物単位での分離
・熱中症により基礎体力が衰えて重症化するリスクを避けるための空調対策
などの対応が必要としています。

新型コロナウイルスの感染力はまだ解明されておらず、高温の季節でも猛威をふるいつづける可能性があります。これから梅雨の大雨や台風などの気象災害が毎年発生する季節となり、地震もいつどこで発生してもおかしくありません。
災害は突然やってきます。一人ひとりが少しでもできる備えを進めておきましょう。

防災ログ事務局:南部優子


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