不動産協会、「水害等に備えるための都市・住宅の強靭化」報告書を発表 防災ニュース

2020年6月4日

6月4日 一般社団法人不動産協会(東京都千代田区)は、5月20日、「水害等の災害に備えるための都市・住宅の強靭化」研究会の報告書をまとめました。
この報告書は、2019年9月から10月にかけて大きな被害をもたらした台風第15号、第19号(令和元年東日本台風)により明らかとなった全国各都市の脆弱性など、水害に対する都市・住宅のあり方についての研究を行っていたものです。特に、大規模水害のリスクの高い大都市の業務商業地域や、集合住宅などの中高層の建築物が立ち並ぶ地域とその周辺に関し、課題と対策を検討した成果がとりまとめられています。

都市・住宅の強靭化に向けた課題としては、2019年の令和元年東日本台風の折に中高層の建築物が浸水し、長期間にわたって居住や使用ができない状態になった問題について、都市インフラの脆弱性や水害ハザード情報の提供不足や認識不足、安全な避難経路や避難空間の確保不足、防水・止水に関する対応の不明確さなど、水害への備えの不足が指摘されています。

今後は緊急度の高いエリアからインフラ整備やハザード情報の公開、水防ラインの見直し、防災備蓄の整備、平時からの訓練の実施が必要だとしています。また、都市・住宅の強靭化には、中高層建築物の開発者・管理者(管理組合)と行政、住民が相互に主体性をもって関わることが重要だとし、行政は各主体による強靭化策を積極的に後押しするとともに、各主体が協定締結による防災エリアマネジメントなどの連携強化や協力を行うことで、防災・減災の共助を進める「安全のシェア」を行う必要があるとしています。

「水害等の災害に備えるための都市・住宅の強靭化」研究会の報告書
https://www.fdk.or.jp/f_suggestion/pdf/2020_flood_press.pdf

防災ログ事務局:南部優子


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