2015年の小笠原諸島西方沖の地震は観測史上最深の「超深発地震」だった コラム

2020年6月8日

6月8日 2015年(平成27年)5月30日20時23分ごろ、小笠原諸島西方沖でマグニチュード8.1という大きな地震が発生しました。

この地震は、震源の深さが682kmと観測史上最深。異常な深さで発生したことにより、体感できる揺れが広範囲になりました。最大震度は5強で、震源に近い東京都小笠原村の母島だけでなく、1,000kmも離れた神奈川県でも震度5強を観測。また、全国47都道府県すべてに有感の震度1以上となりました。これは、気象庁による観測史上初めてのことでした。

震源の深さはたいてい数十kmで起きることが多く、深さ数百kmという深いところで発生する地震は「深発地震」と呼ばれます。この日の小笠原諸島西方沖の地震は、300km以深の地震としては、1906年以降5番目の大きさでした。

この地震により、死者や大きな物的被害はありませんでしたが、震度5強から震度4までを観測した首都圏を中心に、エレベーターの停止や公共交通機関のダイヤの乱れなどが発生し、首都機能を脅かしました。

震源が深い巨大地震が発生すると、直接の激しい揺れや津波の恐れが観測されない場合でも、長周期地震動も含めた揺れが広範囲で発生し、都市機能の停止が広域になることが予測されます。都市部は特に、ちょっとしたアクシデントでも機能不全になり混乱する恐れがあります。この小笠原諸島西方沖の地震のような「深発地震」による影響を受ける可能性もあるのだということも、心に留めて備えておくことをおすすめします。

防災ログ事務局:南部優子


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