世界は「気候危機」へ 環境白書、気象災害のリスクが更に高まる予測 防災ニュース

2020年7月1日

7月1日 環境省は2020年の「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を6月12日公表し、環境大臣は会見で、気候変動問題を「気候危機」と捉え、危機感の共有を訴えました。白書では、2019年の東日本台風で大規模な氾濫被害を生じた河川のようすなどが紹介されています。大臣は、大規模な気象災害が国内外で多発し、地球温暖化に伴って豪雨災害や猛暑のリスクがさらに高まってくると指摘されており、まさに今、危機に直面していると強調しました。

白書は、「気候変動時代における私たちの役割」をテーマとし、第1部では「気候変動問題をはじめとした地球環境の危機」(第1章)など環境をとりまく現状が、また第2部では、政府や自治体、企業などが進める社会変革に関する施策が紹介されています。

第1章の気候変動問題については、2018年7月の豪雨や猛暑、2019年の房総半島台風や東日本台風などの災害で甚大な被害が発生していることや、2019年に海外で発生した記録的な熱波(欧州)、ハリケーン災害(北米)、洪水災害(インド、ミャンマーなど)も紹介しています。また、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書が、今後、地球温暖化に伴って豪雨災害や猛暑のリスクがさらに高まる可能性があると指摘していることを紹介しています。

第2章の政府・自治体・企業等による社会変革では、「気候変動×防災」の視点にたった社会変革として、将来高まってくると予想される気象災害リスクに対応するため、災害大国日本のノウハウを活かしつつ、気候変動と防災をかけあわせた視点での社会変革を推進する一例として次のような取り組みを、気候変動に対する緩和策や適応策を各省庁と連携して進めていくとしています。

・流域全体での遊水機能の強化による防災対策
・気象庁と連携し、熱中症予防に関する情報発信
・経産省と共同で、自立・分散型エネルギープラットフォームの構築
・防衛省と連携し、災害廃棄物の処理体制の構築や防衛省との連携
・湿地など生態系のもつ防災・減災機能の活用

環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース