熊本・鹿児島で大雨 河川氾濫・土砂災害などによる被害多数 防災ニュース

2020年7月4日

7月4日 梅雨前線の活発化により、前線や低気圧に向かって湿った空気が流れ込み、待機の状態が不安定になって狭い範囲に発達した積乱雲が連なる線状降水帯が熊本県を中心とした九州地方にかかり続けました。このため、これまでに経験したことのないような大雨となり、大きな被害をもたらしています。

7月4日明け方から朝にかけて猛烈な雨が振り、6回にわたって記録的短時間大雨警報を発表されたほか、4日午前4時50分には、熊本県、鹿児島県に対し、最も危険の高いとされる「警戒レベル5」に相当する大雨特別警報が発表されました。その後特別警報は12時まえには警報へと切り替わりましたが、これまでの大雨で熊本県の球磨川で氾濫が発生し、また各地で土砂災害も起きて、被害が大きく広がっています。

熊本県では球磨川の氾濫により橋が流出したり、広範囲で水没したり、集落の孤立や土砂崩れなど、救助要請が相次いでいます。複数の住宅に土砂が流れ込んで巻き込まれた、連絡が取れなくなったなどの情報もあります。また、停電や通信障害もあり、連絡がつながらない箇所も出ています。

通信大手各社は、音声によるメッセージを登録できる「災害用伝言ダイヤル(171)」や、インターネットで安否情報を登録・確認できる「災害用伝言板」「災害王伝言板・web171」(https://www.web171.jp)のサービスも開始しました。

熊本県は午前5時36分に自衛隊の災害派遣要請を行いました。また、消防庁による緊急消防援助隊や、警察による広域緊急援助隊なども派遣も始まっています。

この前線は5日にかけて停滞するため、西日本から東日本の太平洋側を広い範囲で激しい雨をもたらす可能性があります。
熊本県、鹿児島県を始め、愛媛県、徳島県、高知県、奈良県、静岡県、長野県では土砂災害の危険が高まっており、土砂災害警戒情報が発表されている地域もあります。その他、川の氾濫や落雷、竜巻などの突風にも警戒が必要です。

防災ログ事務局:南部優子


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