8月に発生した特徴的な災害 防災ニュース

2020年8月6日

8月6日 8月は気温が高くなるため、積乱雲の発達によるゲリラ豪雨や落雷など、急に荒天に見舞われたりします。また、海水の温度が高いため、大規模な台風が襲来することも珍しくありません。
これまで実際に起きた8月の災害事例から、特徴的なものを3つご紹介しましょう。

【兵庫県佐用町の豪雨災害】2009年8月9日
台風9号の影響により兵庫県佐用町で記録的な大雨となり、死者・行方不明者20名を出す大規模な水害が発生しました。災害後の検証で、被災された方の状況には次のようなパターンが明らかとなりました。
・すでに危険が迫った後に避難勧告などをきき、徒歩で避難所へ行こうとして濁流に巻き込まれた
・自動車で避難していて濁流に巻き込まれた
・体が不自由で自宅の1階にとどまっていて逃げ切れなかった
これらの課題を踏まえ、このあとから避難勧告などの情報を空振りしてもよいから早く出すことや、逃げ遅れた場合は自宅の2階に上がるなどの垂直避難が広められるようになりました。

【神奈川県玄倉川水難事故】1999年8月14日
お盆休みに襲来した熱帯低気圧により、全国で大雨になり、各地で水害が発生していました。神奈川県北山町にある玄倉川の中洲でキャンプをしていた家族連れなどが、大雨に伴う上流のダム放水による川の増水で孤立。救助活動が行われたものの、13名が川に流されてしまい、死亡しました。このころ、気象庁の発表は、台風や熱帯低気圧の勢力を表すときに「弱い」とか「小型の」という表現を使っていました。言葉のイメージから「たいしたことのない雨だろう」と誤解を与えてしまった可能性があるとして、翌年から「弱い」「小さい」「中型」といった表現を廃止するようになりました。

【飛騨川バス転落事故】1968年8月17日
台風7号から変わった温帯低気圧に伴う寒冷前線が通過し、小規模の雷雲が次々に発生して集中豪雨になりました。岐阜県白川町では1時間に100mm以上の雨量となって道路脇の山肌がゆるみ、高さ100m、幅30mにわたる岩石や土砂が崩れて国道に流出しました。現場には約30台のバスやトラック・乗用車などが立ち往生しました。そのうちの観光バス2台が土砂とともに飛騨川に転落し、104名もの犠牲者を出す大きな事故が発生しました。この事故をきっかけに、異常気象時には事前に通行規制区間を設けて車の往来を制限するようになりました。また道路施設賠償責任保険制度の導入も行われました。

防災ログ事務局:南部優子


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