災害時には電動自動車を活用しよう 国交省がマニュアル作成 防災ニュース

2020年8月12日

8月12日 国土交通省では、7月に防災・減災対策本部を開催し、「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」をとりまとめました。その中のひとつに、「電動車給電機能の活用の推進」が挙げられています。この取り組みの一環で、国土交通省と経済産業省が連携し、電気自動車やプラグイン・ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などの電動車を移動式電源として活用するための「災害時における電動車の活用促進マニュアル」をまとめ、公開しました。

近年毎年のように甚大な被害をもたらす風水害や地震など、災害が発生し広範囲にわたり停電すると、生活維持に大きな支障をきたすことになります。このとき、電気自動車やハイブリッド車などの電動車を「移動式電源」として活用し、避難所などへ給電することができます。車種によっては車体に100V電源用のコンセントを備えているものもあり、そのまま給電できます。それ以外の車種では、可搬給電器や充放電設備(V2H)を接続して給電可能です。携帯電話の充電やパソコンなどの機器だけでなく、車種によってはエアコンや電子レンジなども使うことができます。

令和元年房総半島台風による停電のときは、自動車メーカーが被災地に電動車を派遣し、携帯電話などの充電、照明、扇風機、冷蔵庫、洗濯機・洗濯乾燥機、エアコン、小型蓄電池への給電などの支援を行ってきました。ところが、こうした電動車による災害時の給電が全国ではまだ知られていないことから、活用促進のためのマニュアルがとりまとめられました。

マニュアルでは、電動車の外部給電機能についての概説と、100Vコンセントへ給電する際の使用方法例と注意事項、電動車の給電機能を使用するにあたっての留意点、実際の給電のようすなどが掲載されています。

環境問題への配慮から電気自動車やハイブリッド車などの導入を検討・推進されている企業も多くあるかと思います。このマニュアルを参考に、災害時に頼れる非常電源としても、電動車の備えをおすすめします。

国交省・経産省ほか「災害時における電動車の活用促進マニュアル」
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200710006/20200710006-1.pdf

防災ログ事務局:南部優子


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