熱帯低気圧の予報が変わります 防災ニュース

2020年9月14日

9月14日 気象庁は、9月7日、台風に発達する見込みの熱帯低気圧について、9月9日からこれまでより4日手前から予報を提供すると発表しました。熱帯低気圧が台風になって日本へ接近するとき、これまでより早い段階から予報が出されることになり、台風への事前の備えが効果的に行えるようになります。

気象庁では、台風の予報を5日先まで提供しています。ただ、台風になる前の熱帯低気圧については、誤差が大きいことから1日先までの提供でした。2018年から導入されたスーパーコンピューターシステムによる解析能力や予報技術が向上し、熱帯低気圧についても予測の精度が上がったことから、2020年9月9日15時以降は、台風に発達する見込みの熱帯低気圧も、台風とおなじように5日先までの予報を提供することとなりました。

台風情報には、台風の実況と予報があります。
台風の実況は、台風の中心位置、進行方向と速度、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風域、強風域を示し、3時間ごとに発表されます。台風の予報は、1日先までは12時間刻みで3時間ごと、5日先までは24時間刻みで6時間ごとに、台風の位置(予報円の中心と半径)、進行方向と速度、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域が発表されます。よく間違われるのですが、台風の予報円は、台風の中心が入る予測の範囲を示しています。円の中に台風が入る確立は70%です。確度が高いと円が小さくなるだけで、台風の威力が小さいわけではありません。

今回新たに発表される熱帯低気圧の予報は、24時間以内に台風になる見込みの熱帯低気圧について、これまでは1日先まで発表していたのですが、今後は台風と同じく5日先までの予報となりました。発表される内容は、熱帯低気圧の位置(予報円の中心と半径)、進行方向と速度、中心気圧、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域で、台風予報の内容と同じです。暴風域に入る確率情報については、2021年3月からの開始が予定されています。熱帯低気圧の最大風速(10分間平均)が17m/s以上になると台風に切り替わり、台風の予報として発表されるようになります。

台風などの気象災害は、タイムライン(時系列で整理した防災行動計画)に沿って事前に対策をとり、安全と経済を守る行動をとることができます。
今回の予報の改善により、いままでより早い段階から備えていくことができます。近年大型化する台風への対策や、風水害のBCPが重要視されている中、いち早く情報を収集し、手を打つことが大切です。ぜひ有効に活用してください。

防災ログ事務局:南部優子


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