第29回地球環境大賞 災害対応ツールが大賞を受賞 防災ニュース

2020年10月13日

10月13日 世界自然保護基金(WWF)ジャパンの特別協力を得て創設された地球環境大賞の第29回大賞の贈呈式がこのほど開催されました。(毎年行われていた式典は、新型コロナウイルス感染の影響により中止となり、症状とトロフィーを贈呈する形になりました)

地球環境大賞は、「産業の発展と地球環境との共生」を目指し、産業界を対象として1992年から設けられている検証制度で、地球温暖化防止や循環型社会の実現、環境保全に寄与する活動を表彰しています。表彰の対象は徐々に広がり、2005年からは自治体や学校、市民グループも加わって、全国の活動になっています。

第29回の大賞は、自然災害発生時の被災状況などを予測したり発信したりする「cmap.dev(シーマップ)」が選ばれました。地球環境への影響に、温暖化などによる気候変動が要因とみられる自然災害が取り上げられたわけで、さまざまな業界での対応が課題になっていることがわかります。

シーマップは、あいおいニッセイ同和損害保険とエーオーエングループジャパン、横浜国立大学が産学共同研究を行って開発したもので、風水害や地震により被災した建物の棟数や気候変動などをリアルタイムで予測し、地図に公開します。過去の台風や地震をシミュレーションする機能もあり、災害発生時の救援・救助だけでなく、普段からの防災活動にも役立てることができます。

現在では、次のような予測ができるようになっています。
・リアルタイムの建物被害予測(風水害はリアルタイム、地震は10分以内)
・台風上陸前から威力をイメージできるよう、建物被害を予測
・浸水のイメージができるよう、警戒レベル4・5に相当する地域のマッピング
・洪水ハザードマップの表示
・過去の主要災害シミュレーション(風水害11件、地震3件)

シーマップ(cmap:リアルタイム被害予測)
https://cmap.dev/

防災ログ事務局:南部優子


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