令和元年東日本台風から1年 防災ニュース

2020年10月14日

10月14日 記録的な被害を生じた令和元年東日本台風の発生から1年がたちました。東日本台風は、42年ぶりに名称がつけられた台風です。(気象庁は顕著な災害をもたらし、経験や教訓を残す必要がある災害には名前をつけていますが、近年は地震が中心でした)

東日本台風は、10月6日に発生し、猛烈な台風に発展した後、大型で強い勢力をもったまま伊豆半島に上陸。10日から13日にかけて関東地方を進み、温帯低気圧に変わりました。この台風により、広範囲で大雨、暴風、高波、高潮による被害が生じ、特に多くの箇所で当時の観測史上1位を記録する大雨となって、1都12県309市区町村に大雨特別警報が発表され、国・県の管理河川で104箇所が決壊するなど、同時多発的に、また広範囲に、甚大な被害が発生しました。

河川の氾濫に関する情報の伝達がうまくいかずに浸水して取り残され、救助要請が相次いだり、大規模な床上浸水が発生して多くの方が亡くなったりしました。また、人口が集中する東京都で避難所が満員となり、住民が入りきらずに混乱するなど、避難所不足の問題も発生しました。

東日本台風から10日ほどたってダメ押しをするようにやってきた低気圧(10月24日~26日)とあわせて、桁違いの被害を出してしまいました。
・人的被害:死者104名(うち災害関連死7名)、行方不明者3名、重軽傷者384名
・建物被害:全壊3,308棟、半壊30,024棟、一部損壊37,320棟
・浸水被害:床上浸水32,092棟、床下浸水36,140棟
・土木被害:河川被害140箇所、土砂災害785箇所
・避難情報:避難指示936,133人、避難勧告6,375,039人
・避難状況:避難所8,345箇所、避難者52,276人
(人的被害は2020年4/10現在、避難情報は2019年10/12現在)

また、国や都・県が管理する大きな河川に流入する小さな河川の排水が追いつかず、広範囲でない氾濫が発生し、駅が水没したり、タワーマンションの1階に設置されていた電源設備が浸水により被災して1週間以上停電が続き、水を組み上げるポンプも稼働できないため断水にも影響して、多数のマンションの住民に影響を与えた例もありました。

その他にも、通電火災や大量の災害ゴミの発生、屋根の応急修理に必要なブルーシートを張り替える職人不足による復旧の遅れや修理詐欺などのトラブルの発生など、都市部での台風災害のリスクが浮きぼりになりました。

防災ログ事務局:南部優子


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