今後5年間で防災・減災、国土強靭化を加速、閣議決定 防災ニュース

2021年1月17日

1月18日 内閣では2020年12月に「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」が閣議決定され、今後の事業の方針や規模が定まりました。基本的な考え方として、気候変動の影響による災害の激甚化や頻発化、また南海トラフ地震などの大規模地震が切迫していることに加え、高度成長期に建造されたインフラ施設が老朽化する現在、防災や減災の取り組みを強力に推進し、国土強靭化を加速させる必要に迫られていることが挙げられています。
このための対策として、2021年度から2025年度の5年間にわたって、次の分野を重点的に123の対策を15兆円程度の規模で講ずるとしています。

1)激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策
●流域治水や港湾の津波対策、社会福祉施設の耐災害性強化、消防団対策など、人命や財産の被害を防止または最小化するための対策(50対策)
●交通ネットワークやライフラインを維持し、経済や生活を支えるための対策(28対策)

2)予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策の加速
●河川や道路、港湾、鉄道、空港、公営住宅、農業利水施設、公立小中学校、国立大学などの老朽化対策や防災・減災対策(21対策)

3)国土強靭化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化等の推進
●連携型インフラデータプラットフォームの構築や無人化施工技術、ITを活用した道路管理体制の強化など国土強靭化に関する施策のデジタル化対策(12対策)
●スーパーコンピュータを活用した防災・減災対策や気象情報の高度化、高精度の予測情報など、災害関連情報の予測、収集・集積・伝達の高度化対策(12対策)

5か年の対策のうち、全体の3分の2近くに迫る事業規模を計画するのが国土交通省です。国土交通省における2020年度第3次補正予算を加えた2021年度の予算は、約9兆2000億円近くにのぼります。増大する水災害リスクに備えるハード・ソフトが一体となった総合的な対策のほか、経済成長の観点からは効率的な物流ネットワークの強化、都市機能や交通ネットワークなどのインフラ整備を進め、建設関連では大規模設計で3次元デジタル活用を原則化するなど効率化を図ります。

防災ログ事務局:南部優子


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