7月豪雨は過去最大クラスの広域災害 防災ニュース

2021年1月24日

1月24日 国土交通省の発表によると、2020年に発生した令和2年7月豪雨による土砂災害は、過去最大クラスの広域災害であったことが明らかとなりました。

令和2年7月豪雨は、2020年7月3日から13日にかけて九州地方を中心に大きな被害をもたらした後、月末まで過去最長の29日間にわたる長雨となった災害です。長雨は青森県から鹿児島県に至る広い範囲に影響を及ぼしました。最終的には死者・行方不明者86名、重軽傷者67名、住家被害1万6,326棟と、大規模な被害となっています。

先日発表された国土交通省の土砂災害発生件数(速報値)によりますと、2020年全体で発生した土砂災害は1,316件と、平均の約1.2倍になりました。このうち、令和2年7月豪雨による土砂災害の発生件数は37府県961件にのぼり、全体の発生件数で過去3番めの多さ、発生した都道府県数では過去1番の多さとなり、過去最大クラスの広域災害であったことが明らかとなりました。

7月豪雨で最も被害の多かったのは熊本県で、226件と突出して多く、集計開始以来最多を記録しました。その後は鹿児島県76件、長野県73件、福岡県62件、神奈川県61件と続き、九州から関東までの広い範囲で多数の被害となっています。

令和2年7月豪雨により甚大な被害が発生した一方で、砂防堰堤や地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設などの砂防関係施設が効果を発揮して人家の被害を軽減した事例も確認されています。

日本全国のどこで発生しても不思議ではない土砂災害。あなたのいるその土地でも突然襲いかかるかもしれません。土砂災害ハザードマップで警戒区域などを確認したり、土砂災害警戒情報などの気象情報のキャッチアップができるよう日頃から操作に慣れておいたり、砂防施設の設置状況を確認して土砂災害を意識した避難の手順を考えておいたりと、今からできる対策を検討し、備えておきましょう。

防災ログ事務局:南部優子


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