初動対応や情報の重要性を認識するも、対策は道半ば【防災担当向け調査】 防災ニュース

2021年2月14日

2月14日 自治体の防災担当者約1,000人を対象に「自治体の防災対応での課題」について行われた調査によると、災害が発生したときに直面する課題として初動対応や状況把握・指示を挙げた人が最も多くなった一方、実際の初動対応への対策は不十分だと感じている割合が高くなりました。

調査によると、災害発生時に直面する課題として認識しているのは多い順に、
・初動対応が迅速にできない(42.0%)
・刻一刻と変化する状況を把握することが難しい(38.6%)
・情報の正確性を確認することが難しい(37.5%)
・いかに迅速に情報を伝達するかが難しい(36.4%)
となりました。

災害は、ひとつとして同じ被災にはなりませんから、「起きてみないとわからない」状況を把握することの難しさが浮き彫りになったといえます。迅速な初動対応には、情報収集、集約、判断、伝達を正確に、またすばやく行うことが不可欠です。調査結果からは、重要性は認識するものの、対策としては道半ばで課題が多いようすが伺えます。

災害時の初動対応についての重要性を問う質問では、9割以上が重要であると認識していることがわかりました。(非常に重要74.2%、ある程度重要21.1%) 一方で、初動対応への対策について問うと、4割近くができていないと回答し(あまりできていない33.7%、全くできていない4.9%)、十分にできていると回答したのは1割未満でした(9.9%)。

対策が十分でないと考える理由を自由回答で求めたところ、次のような課題が挙げられました。
・状況把握のための手段や連絡方法
・指揮命令系統
・経験不足
・人員不足で体制が不十分

近年相次ぐ災害対応を踏まえ、全国各地の自治体では防災計画の策定やマニュアル作成、訓練などの事前対策のほか、自治体間の相互協定や対口支援などの連携も進んでおり、実際の被災地への応援に入ったりする機会も増えています。ある程度の準備を行っている自治体の防災担当者でさえこのように課題を感じているということは、災害時の情報収集がいかに初動対応に重要で、しかも難しいものであるかがよくわかる結果となりました。

初動時の適切な対応のためには、情報収集・集約・判断・伝達指示の一連の流れが一元化され、指揮命令系統をはじめとした初動対応体制と連動して整備されている必要があります。

災害時の対策強化には、次の4つのポイントがあります。
・指揮命令系統や役割分担など体制の整備
・マニュアルなどの要領の整備
・情報システムなどの装備の強化
・訓練など運用する人員の養成

災害は明日にでも襲ってくるかもしれません。いまからできる改善を少しずつ取り込みながら、4つのポイントをバランス良く整えていきましょう。

調査は、防災関連の業務に携わる自治体職員1,023人を対象に、2020年11月6日~9日にかけて株式会社Specteeがインターネット上で実施したものです(モニタ提供元:ゼネラルリサーチ)。

防災ログ事務局:南部優子


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