国交省、高架道路など道路上の待避場所を増設へ 防災ニュース

2021年3月8日

3月8日 国土交通省は、津波や水害から逃げ込める退避場所を確保するため、高速道路など高台にある道路上の退避場所を増設する箇所を2020年度中に決定し、2025年度末までに完成させる方針を定めました。

国土交通省では、東日本大震災を教訓に、道路の高架区間を津波や水害による浸水時の緊急避難ができる退避場所として活用する取り組みを進めています。
今後、より一層の取り組み推進を図るため、津波や洪水の浸水が想定されるエリアと重なる道路区間のうち、緊急避難先としてニーズがある箇所を特定し、避難施設の整備に向けて周辺の市町村と調整していくことにしています。

高台の道路が緊急避難場所として注目されたきっかけは東日本大震災でした。津波から逃れるために土手を駆け上がって道路に登り、命をつなぐことができました。この教訓から、道路脇のスペースを緊急避難の場所として、津波避難訓練を行う地域もでています。

ただし、道路は本来、車両が通行するため非常に危険な場所です。人が立ち入るには安全性の確保が重要になるため、一時的に身を寄せることができる路肩スペースを確保したり、盛り土や階段、スロープなどをつけて避難しやすいよう、道路管理者と自治体が協議しながら整備する必要があります。

2020年7月現在、高速道路で166箇所、国道で222箇所が整備されていますが、近年相次ぐ水害を受けて増設を急ぐため、国土交通省がテコ入れを行って全国で設置可能な箇所の洗い出しに着手したものです。

津波や洪水の浸水想定エリアと重複する道路区間のうち、高架や高台などで想定される浸水の高さより高いエリアは、高速道路で280市区町村、直轄国道で300市区町村あります。
新たな整備対象となるのは、高速道路59箇所、国道596箇所の予定で、国と市区町村が分担して整備し、地域防災計画やハザードマップへ順次反映させていくことになります。

(画像出典:国土交通省「道路高架区間の緊急避難場所としての活用について市区町村と調整を開始します」)

防災ログ事務局:南部優子


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