3.11を「防災教育と災害伝承の日」に 防災教育関係者が制定を働きかけ 防災ニュース
2021年3月11日
3月11日 3月11日は東日本大震災が発生した日です。2021年で10年を迎えます。この地震をきっかけに、いざというときに各自が命を守る行動をとるための防災教育や、過去の災害からの教訓を後世につなぐ災害伝承の重要性が大きく取り上げられています。未曾有の被害をもたらした東日本大震災のできごとや教訓を刻み、防災教育や災害伝承の取り組みを広げるため、3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定しようという働きが、防災関係の教育者などを中心に始まっています。
東日本大震災は、2011年3月11日に宮城県沖で発生した東北地方太平洋沖地震による災害と、これに伴って発生した福島第一原発の事故による災害です。マグニチュード9.0は国内最大、世界4番めの規模でした。宮城県北部を中心に最大震度7と、広範囲で大きな揺れが起き、また巨大津波が沿岸を襲いました。東北地方を中心に12都道県で被害が発生。死者・行方不明者は2万2千人以上、ライフラインも停止し、燃料も不足、原発事故の影響で大規模な電力不足が発生し計画停電が行われるなど、全国に大きな打撃を与えました。大規模な広域避難による影響は現在も続いています。
東日本大震災を踏まえ、さまざまな災害対策の検証が行われ、災害対策基本法や防災基本計画の改正、各種の災害対応のガイドラインが作られるなど、取り組みが進みました。「防災教育」と「災害伝承」は、この見直しのなかで初めて災害対策基本法の中に明文化されました。強化の取り組みが進められ、2017年と2018年に改定された学習指導要領の中でも防災に関する内容が拡充されています。
一方、防災教育は地域や学校によって取り組みに大きな差があり、近年多発する災害を前に、いっそうの取り組みが必要となっています。そこで、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長をはじめとする防災教育・津波防災・地震学などの専門家が中心となり、東日本大震災の発生した3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定し、教訓をふりかえり、防災教育と災害伝承活動の取り組みを強めていくきっかけをつくろうと呼びかけています。個人や団体に賛同を募り、2022年の制定を目指します。
<「防災教育と災害伝承の日」特設ページ>
https://www.bousai-edu.jp/info/saigai-denshou/
防災ログ事務局:南部優子