「洪水や土砂災害の頻発が心配」85%以上 内閣府世論調査 防災ニュース

2021年3月25日

3月25日 昨年の10月から12月にかけて内閣府が行った世論調査によると、地球温暖化による気候変動の影響として心配なのは「洪水や土砂災害の頻発」と回答した人が85.6%(複数回答)と最多でした。次いで「自然環境や生態系への影響・水質悪化」が59.9%、「沿岸地域の氾濫」が42.6%と、自然災害に関する心配が大きくなっています。

この調査は、内閣府が全国18歳以上の3000人を対象に、水環境に関する調査を行ったものです。感染症の影響で、例年の面接による方法に代わり、郵送で実施されました。対象数の62.2%にあたる1,865人から回答を得ました。

調査中「地球環境の水問題」を問う設問で、地球温暖化に伴う気候変動の影響により世界的な水問題の深刻化が懸念されるなか、心配だと思うことについて複数回答できいたところ、水不足問題より災害への懸念が大きくなる結果となりました。
主な回答結果は次のとおりです。

・気候の不安定化による洪水や土砂災害の頻発:85.6%
・降水量の変化や水温の上昇に寄る自然環境や生態系画の影響及び河川・湖沼の水質汚濁による上水道の品質悪化:59.9%
・海面上昇による標高の低い沿岸地域の氾濫:42.6%
・渇水の増大による水不足及び海外での食糧生産の不安定化:41.9%

以前に行われた水環境に関する世論調査とでは調査方法が異なるため単純に比べることはできませんが、洪水や土砂災害の頻発への懸念については、2008年に調査した類似の設問への回答(68.2%)より17ポイント増えており、問題だと感じている人が増加傾向にあることがうかがえます。

国では、近年の台風や豪雨などの大きな災害が相次いでいることが意識に影響しているのではないかと分析しています。

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース