大阪北部地震 防災ニュース
2018年6月21日
6月21日 大阪北部地震から3日が経過しました。今回の地震は最大震度6弱という、大阪での観測記録上最大であったが、家屋の倒壊による死者は発生せず家屋内の本棚やブロック塀の倒壊が原因。
40年前に起きた宮城県沖地震(1978年)でも倒壊したブロック塀の下敷きになって10人以上が亡くなっている。これを機に1981年にはブロック塀の耐震基準を定めた建築基準法施行令を改正し基準を強化したが、1995年の阪神・淡路大震災や2016年の熊本地震でもブロック塀の倒壊が相次いでおり、建物の耐震化ほど進んでいるわけではないとされている。
各地では、水道管の破断に伴う漏水やエレベーターの閉じ込めが2府3県で214件(大阪府166件、兵庫県29件、京都府15件、奈良県3件、滋賀県1件)発生した。全国的に水道管の老朽化が問題になるなか、大阪は歴史的に都市化が早く高度成長期を中心に水道管の敷設が早く進んだため、日本水道協会の統計によると40年の法定耐用年数を超える水道管の割合は28.3%と全国で飛び抜けて高い。
厚生労働省によると、水道管の破損などによる断水の影響は大阪府高槻市で19.4万人、箕面市で2万人に及び、過去の災害をみてみると東日本大震災(2011年)で256.7万戸、阪神淡路大震災(1995年)で130万戸、熊本地震(2016年)で44.6万戸と地震のたびに大きな影響を受けている。
気象庁は、今回の地震は「有馬-高槻断層帯」「上町断層帯」「生駒断層帯」の境目付近で起きており、どの断層が地震につながったかは特定できないと発表した。「上町断層帯」は梅田や難波といった大阪を南北に通る断層帯で、平均活動間隔は8000年程度、最新活動時期は約9000年前とされており、地震調査研究推進本部によるとM7.5の地震が起きる確率は2~3%とされているが、繁華街を通っていることもあり、いざ起こると甚大な被害になるとこが想定される。
地震調査委員会は、今回の地震は東西方向に圧縮軸を持ち、地殻内で発生したと推定し、その後の地震活動は5km四方のエリアで続き、エリアの北側では逆断層型、南側では横ずれ断層型の余震などが発生していると分析しています。
【地震のタイプ】
地震は、断層の動き方によって、大きく三つ(横ずれを二つに分ければ四つ)の型に分けられます。
・正断層:断層面を境にして、上盤(上側の岩盤)が下盤(下側の岩盤)に対して、ずり下がる。
・逆断層:断層面を境にして、上盤が下盤に対して、のし上がる。
・横ずれ断層:断層面を境にして、水平方向にずれる。
「右横ずれ断層」=断層に向かって相手側のブロックが右に動いた場合
「左横ずれ断層」=断層に向かって相手側のブロックが左に動いた場合
(出典:気象庁)