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防衛大学

塚本昭博  防衛大学理工学研究科 / 矢代晴実 防衛大学校教授


 首都機能が集中する都市圏は、鉄道を代表とする大規模交通システムに支えられて毎日大量の人々が移動を繰り返している。鉄道輸送に大きく依存した人々が地震災害等により移動手段が途絶された途端、徒歩によって帰宅せざるを得ない状況になる。

 本研究は昼間人口の集中する東京都心5区から神奈川県方面へ徒歩による帰宅者と帰宅困難者の経過時間の移動分布状況をシミュレーションにより明らかにし、帰宅支援対象道路沿いにおいて、建物倒壊・延焼による影響や大量の徒歩帰宅者が起因して発生する課題について分析およびリスクを定量化した。

 特に首都直下地震発生時に深刻な問題が発生すると予想されているトイレ・食料問題をとりあげた。それぞれの問題に対して、シミュレーションんから得られた結果から充足率や必要備品数などについて考察を行った。