歴史史料の可視化で見えてきた宝永・安政・昭和南海トラフ地震
名古屋大学 環境学研究科地震火山研究センター 准教授
山中 佳子 氏
南海トラフ地震の繰り返し間隔は100-200年と長い.そのため,最新の昭和の地震の1つ前は江戸時代の安政地震である.明治初期以前は地球科学的観測がないため,史料を用いて地震像を探る必要がある.史料といっても幕府への報告から個人の日記まで様々.我々はこれらをGISを用いて整理し,史料の内容を地球科学的知識を元に読み解くチャレンジをしている.まだ一部の地域しかできていないが,宝永地震=安政東海地震+安政南海地震というほど単純ではなさそうであることがわかってきた.