気象災害に向け体制強化を 気象庁第3次補正予算の重点対策 防災ニュース

2021年2月8日

2月8日 内閣では「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」が閣議決定され、気象災害や大規模地震に備え、老朽化するインフラ施設対策などの取り組みを加速させる重点項目を公表しています。5か年の対策のうち3分の2近くの規模で取り組むのが国土交通省。水災害リスクへの対策など、ハード・ソフト両面での対策を強化します。

国土交通省の外局である気象庁は、気象や火山活動の観測を行い、激甚化する自然災害から社会を守るため、各種の予報や警報を発表しています。「2030年に向けた数値予報技術開発重点計画」では、次の目標を掲げ、取り組みを進めています。

 豪雨防災:早期の警戒と避難を可能にする線状降水帯(集中豪雨)の発生・停滞の予測精度向上
 台風防災:数日前からの広域避難を可能にする台風や前線に伴う大雨などの予測精度向上
 温暖化対策:自治体や民間の温暖化対策策定のための高精度で統一的な予測の提供

気象庁の令和2年度第3次補正予算は上記の目標もふまえつつ、国土強靭化関連の対策が並ぶ結果となりました。

<線状降水帯の予測精度向上>
・洋上観測の強化(36.64億円)
・アメダスへの湿度観測の追加など(7.11億円)
・気象レーダーの強化(1.19億円)

<地震・火山観測体制の強化>
・地震観測施設の整備(1.43億円)
・火山監視・観測用機器の整備(2.63億円)

観測が強化され精度が向上すると災害の予報や警報の出し方が変わり、避難情報などの内容も変化する可能性があります。現在、市町村が発表する避難勧告などの情報を気象の警戒情報とリンクさせ、よりわかりやすい発表の方法にする検討も進んでいます。気象庁の取り組みは災害時の行動基準になるものが多くあります。今後も注視していきましょう。

※過去の関連記事はこちら
 今後5年間で防災・減災、国土強靭化を加速、閣議決定(2021年1月17日)

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース